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ニュース中国でのネット販売
BLOG2019.10.2
中国でのネット販売

中国でのネット販売だが、現地の子会社の方で6年前にスタートし今日に至っている。日本より本格的な内容でのスタートだったが、市場規模は日本をはるかに上回る割に伸びは少なく苦戦している。

サイト店名は中国の古典から引用した「琴瑟在御」となっている。アリババのある杭州に運営会社を設立してのスタート、このブログでもかなり最初の頃に取り上げたこともあった。企画もチャイナドレスのイメージを下着にするというデザインで、オリジナリティもありスタート時は上手くテイクオフするのではと期待したが順調とは言えなかった。その後、杭州の会社は撤退し、運営を依頼する提携先を変えたりしたが、ここ数年は地元で社内にスタッフを入れて運営するようになっている。

売り上げだが、アリババが運営する「天猫(Tモール)」や京東集団が運営する、ECモールでの売り上げはあまり伸びていない。驚くのは工場ある会社での売り上げで、これは日本では真似が出来ないがかなりのウエートを占めている。このことは、とても真似できなく、総経理の人脈の多さに感心している。

今年になっての新しい動きだが、ネットでのライブ中継、動画で商品を売るテレビショッピングに似た売り上げが6月から出来ている。ネットでの動画中継を見て、それを見ていたお客がその場で申し込むというシステムだが、中国の進む斬新さに驚いた。出演者(キャスター?パーソナリティ?タレント?)だが、続けると新鮮さが落ちるため毎回人は変えている。その売り上げに占める取り分は多く、この職業はかなりの高収入になっているそうだ。今回の出張の折も、これから杭州に行くというネットのスタッフを見かけ、後でその日のライブ中継の内容を見せて貰った。

さて、今回の出張で確認したのは、工場内での直営のショップと二つの販売店だった。工場の中には以前よりショールームがあり、そこに地元のお客さんが来ると、事務所のスタッフが接客していた。今回は一部会社の改装を兼ね、以前ネット商品のピッキング棚と出荷場だった所をお店らしく改装した。日本の標準から見てかなり立派なものが出来たと思った。

また、訪問した24日の前日、写真のお店がオープンした。店長は2003年頃からの知り合いで、総経理からは彼女と組んで売っていきたいと常々聞いていた女性である。百貨店の店長等をしており小売りの経験は豊富だ。店舗は市内の高級住宅街で小売店は少なくついで買いは無い所だ。広さは見たところ30坪以上、下着売り場としては大きい。店の片隅だが中国茶が飲める場所があり溜り場になりそうになっている。また、空いた物件を頼まれて使っているようで、初年度の家賃は年3万元(約50万円)と安い。ブランドの認知度向上や商品開発でのアドバイスに役立つと思った。これまでの人脈でオープンの昨日はかなりの売り上げになったと聞いた。予想としてまあまあ成功しそうな感触を覚えた。

 

ところで、人口30万人の町だが、もう一店舗、販売店がオープンした。こちらの店長は会社の縫製ラインの組長や検査を経験した人物だ。かつて日本でマックスでの実習で働いたこともあり、気立てがとても良く、日本人社員からとても可愛がられたことで、日本にいた時から記憶に残っている。今回、愛社精神で是非当社の製品を売りたいと熱望して、9月1日に開店した。今回訪問した折訪ねたところ、小売りの経験は全くなく、伝手も会社の友人だけだ。こちらの方は会社でも販売しており売り上げのバックアップは期待できない。お店の広さは半分の約15坪程度だが、こちらは小売店が居並ぶところで、改装費は7万元(約110万円)程度だが、借り賃は最初に7万元、追加で5万元の年12万元で月15~16万円の家賃は安くない。正直な感想は心配の一言、性格が優しすぎ小売りに向かないと思っている。

前の店が月10万元、後の店は3万元の売り上げが出来れば何とかなると思うが、次回12月訪問時は2店舗とも様子を聞きに回り、差し入れは用意したいと思っている。

日本でのネット販売だが、ネットとリアルの融合がこれから重要と指摘されている。人口の少ない福井市内でのリアル店舗の出店はいかがかと思っているが、福井のお客様へのサービス向上と社員の小売り感覚醸成の為に、何らかの将来方策は必要と思っている。さらに、ブランディングという言葉で言われているが、宣伝と試着サービスを兼ねたアンテナショップ的な店舗を、東京や大阪などには設置することも必要だと考えている。

今回の中国での先行事例だが、参考になるところは取り入れたい。