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ニュース幻の糸「A.H.Y」を使ったスポーツインナー
BLOG2021.7.12
幻の糸「A.H.Y」を使ったスポーツインナー


「Tセレクト」第二弾として標題の「A.H.Y」という糸を使い、経編(トリコット)のマシーンで編立てたツーウエイの生地を使った商品を紹介しようと思う。この商品については、既に8年前よりLine Bというブランド名でネット販売しており、楽天のスポーツインナー部門、アマゾンで多くの販売実績がある。


「A.H.Y」という糸は、Aesthetic Hand feeling Yarnの略称で、三菱レイヨン・テキスタイル㈱商標を取り、現在ユニチカトレーディング㈱が販売している。直訳すると「審美的な肌触りの良い糸」となる。名前の通りナイロン糸を使った商品に比べ「肌触り」は、とても優れている。
しかし、幻の糸とタイトルを付けたように、最初は三菱レイヨン(現在は三菱ケミカル)が生産をしていたが、同社がポリエステル生産から撤退し、途中ユニチカに生産を委託するようになった。その為、供給面で今後生産されないという危惧があり、一旦は販売を止めようかと考えたこともあった。今回は、ユニチカが正式に自社ブランドとして生産することになり、供給面での不安が解消したのを機に、レディースでは「ヨガbyグラモア」として、メンズは継続して「TセレクトLine B」として、再度本腰を入れて販売していこうと考えている。

 商品の特徴は、とにかく優れたUVカット率、伸縮性が良いことと、肌触りが良いことだ。ストレッチインナーの特徴として、汗をかくと着脱がしにくくなり、脱ぐのに一苦労するのが普通だが、この生地を使った商品はその点で他社の物とは違うと実感している。また、汗をかいても風の当たる屋外では水分が蒸発して、気化熱の影響か涼しく感じる。私自身はゴルフのプレイ中は必ずインナーとして愛用している。マルチフィラメントの効果として、薄くてもUVカット率に優れている。屋外での紫外線による日焼けが気になる女性にとっては、ウオーキングやガーデニング等の屋外での活動には欠かせない代物になっていて、女性物のハイネックは通常より襟を高くし、着用した方からは大変な高評価のレビューを頂いている。 また、この糸は、常圧で染色可能なカチオン染料によって染めることが出来る。このカチオン染料は、通常のポリエステルやナイロンに比べ鮮やかな発色性があり、出来上がった生地はシルク調の光沢で発色の深みが違う。また、高圧で染めないことでエネルギーコストが抑えられ、「エコテックススタンダード100」の認証も受けている。
また、使用するA.H.Yは30D36Fという超マルチの糸を使っている。フクイタテアミの超ファインゲージのトリコットマシーンで編立、染工場も福井県で生地の生産はメードインフクイ。超マルチの糸のメリットとして、毛細管現象で肌側の水分を生地の表面に吸い上げ蒸発させる構造になっている。その為、屋外の風の当たる場所にいると、気化熱により表面温度を下げる為、着ていないより涼しく感じさせる。また、再度触れるが薄くても紫外線を通さないことでUVカット性能にとても優れる。
 今回紹介する第二弾のメンズスポーツインナー、他社の類似品と比べて貰えれば、着用し時に直ぐに違いが実感できる商品となっている。メードインジャパンの優れた商品として愛用者が増えて貰えることを大いに期待したい。