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BLOG2021.9.17
ファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略

今回は弊社のネット販売で参考にさせて貰っている、マーケッティングの本(「競争優位を実現するファイブ・ウェイ・ポジショニング戦略」著者:フレッド・クロフォード/ライアン・マシューズ、監修:星野佳路、出版社:イースト・プレス)の内容を紹介したい。私自身も本を読んだだけでは、内容を良く理解していない点もあり、ブログを書くことで、さらに理解を深めたいと目論んでいる。また、実際の仕事上でも書かれている内容を実践していこうと考えており、これからの販売戦略の整理にも役立てたい。しかし、堅い内容になりそうなので、興味のある方だけ、お付き合い願いたい。

この本については、星野リゾート社長の星野佳路氏が監修となっており、さらにタイトルに「この本は私の教科書です」と書かれていたのが購入し読むきっかけとなった。これまでも、星野氏の教科書としている本は何冊か購入し読むようにしているが、今回も英語原文の日本語訳の本で、皆さんも経験があると思いますが、読むのには大変苦労した。しかし、競合他社との優位をどう作っていくかに関して、とても参考になっている。

当社の属する婦人下着のネット販売は、昨年からのコロナの影響で全体としては好調といえる。しかし、これまで店頭主体で販売していた業界大手がネット販売に本腰を入れてきており、さらに、新規参入も大変な数で増加して、まさに「レッドオーシャン」、激戦の状況となっている。一番の問題は、モールでは、他社が行っている商品やその価格、クーポン施策や割引等の内容がお互い筒抜け状況になっていることで、コモディティ化が進んでしまっていることだ。これまで、当社の商品紹介の中で行っていた、「育乳」とか「脇高ブラ」という表現や、セール時に対応した企画等は、他社からことごとく真似され同質化してしまった。その中で価格だけの競争では、本来の利益が生み出せない状況になっている。

このような状況の中で、この本に出合うことが出来た。内容を簡略すると、ファイブウェイポジション「経験価値」「商品」「アクセス」「サービス」「価格」の5つの要素の中で、全ての分野で高いスコアを目指す必要はなく、まずは顧客となる消費者が、企業を受け入れる業界標準を目指し、その中で他社に比べ、顧客から指名して選んで貰えるような優位なレベルⅢの突出した得意分野をまず一つ作り、残りの中の一つで好きと感じて貰える、相対的に優位なレベルⅡの分野を作ることが必要だと書かれている。
5つの分野で、全てレベルⅢを目指すのは、非効率でかえってコストアップにつながり、また、消費者の目線からは、折角の長所、優位点の焦点がぼけてしまう。とにかく、突出した分野をひとつ磨くことが必要とされる。

このファイブウェイポジションからの視点で、現状を分析すると問題点が見えてきて、今後改善を行う上でとても有効な手法と感じている。基準点に達していない分野について、まずはレベルⅠを目指し、既にレベルⅠに達している分野の中で、どの分野をⅡもしくはⅢに引き上げるかを、課題目標にしていきたい。
その中の「商品」については、他社も既に高いレベルの商品を販売しており、優劣が付けにくい状況となっている。もちろん、ヒット商品を出すことは今後も必須の課題ではあるが、この分野で他社と大きく差をつけることは容易ではない。その中で、国内も海外も直営の子会社で生産し、品質に関しては信頼を頂ける高いレベルとなっており、これについては他社とは差別化できるとは思っているが、顧客からの決定的な選別の対象にはならないのではないかと、本の感想として感じた。
「経験価値experience factor」に関しては、正直のところ最初は内容が理解できなかった。しかし、英語の原文を確認したところ、価値のところの英文が、Factorという言葉の訳で、それぞれ人によって捉え方は違うとは思うが、「要素」と理解して意味が解るようになった。

当社のショップレビューだが、お陰様で顧客の満足度は高い。配送も顧客が驚くほど速く、梱包ではガムテープの端を外しやすいように折り込んでいて、気遣いに感謝のレビューも多い。「サービス」の分野と絡めて、ブラの悩み事に真剣に寄り添っていくことが、顧客が今後選び出してくれる一番の要素となると、この本を読んで改めて感じた。

当社のサイト「グラモア」が消費者の描くイメージの中で、「顧客が抱える悩みの中で、寄り添って一緒に解決し、信頼できるお店」という、一定のポジションを占めるようになるように、得意分野を磨いていきたい。