NEWS
ニュース
ニューススティーブ・ジョブス “Steve Jobs”
BLOG2014.1.27
スティーブ・ジョブス “Steve Jobs”

アップルの創業者スティーブ・ジョブスの伝記が出版されて、丸一年以上、少々時間は経つが今回の中国出張中、写真に掲載したペーパーバック版のⅠ、Ⅱの2巻を読み終えることが出来た。彼が亡くなって二年余りしか経たないが、彼は既に伝説の人物になったと思う。自分自身はそれほどアップルのファンではなく、初めての商品がiPhone4である。20年近く前、まだ、ワープロも使えなかった時期に「マッキントッシュ」というパソコンの講習を受けたことがあったが、その当時は、とても自分には無理と判断し、アップルのコンピューターはマニアの物と思っていた。

 

しかし、おしゃれな商品を生み出す企業だとは認識していた程度である。昨年11月頃にインターネット販売をテーマとした講演でその講師からこの本のことを紹介された。出張に出かけた折、乗り継ぎに時間があり、たまたま本屋に立ち寄った時にその本が目に付き購入したのがきっかけである。

 

本を読んでの感想だが、彼の少年時代からの生い立ち、アップル創業期の話や「マッキントッシュ」の開発、創業の会社を追われることになる経緯、ピクサー時代の映画の開発、さらに復帰後の「iPod」の開発から「iPhone」「iPad」に至るまで、そして癌との闘病、そして死に至るまでが彼に関係した多くの人の取材を元に故人におもねることなく描かれている。何故、コンピューターメーカーのNECや富士通が苦戦をし、また、ウォークマンで一斉を風靡したソニーが「iPod」のような商品を先に開発出来ず、さらに、「スマホ」と呼ばれるiPhoneという商品がアップルから出されたのかが分かった気がする。「選択と集中」を基本に、コンセンサス重視の経営では決してなされなかった世界的な偉業が、本に書かれているすさまじい彼の生き様と共に忠実に書かれており、私のような凡人には真似は出来ないが、一読の価値は充分あると思う。

 

 彼の生まれは1955年2月で日本の学期制では、実は私と全く同じ同学年である。父親が早く亡くなったため、私自身も経営者として1985年から30年近く会社を切り盛りしてきた。3代目として、国内の繊維産業が衰退する中、事業の継続を目標に守り重視の姿勢で経営したといえる。もちろん、他社に先駆けて設備投資をし、海外にも積極的に進出も行った。しかし、常識の範囲内で一線を飛び越えるようなことはしなかった。残されたものをなんとか生かしていくという発想で、「選択と集中」という発想は無かったと思う。

 

昨今の当社を取り巻く状況だが、否応なしにグローバルの環境に追い込まれてしまっている。ふさわしいリーダーとは言えないかもしれないが、突き進むしかないと思い、自分を鼓舞する上でもとても参考になった。