昨年10月から仕事の関係で、中国浙江省の子会社に毎月出張をしている。利用するのは、福井から関西空港まで出かけ、中国航空の関空⇔杭州便だ。その度に感じるのは、関西空港での混雑で、帰りの関西空港から京都までの特急「はるか」は、乗客が多く常に満席になる。4月の出張では、久しぶりに横の席は空いていたが、関空の「はるか」は圧倒的にアジア系の乗客が多く、その多さは日本人を上回る。
テレビ等では、訪日外国人の話題が報道されており、日本中至る所で外国人観光客を見かけるようになった。同じところを観光する日本人にとっては、混雑が増加し、いささか食傷気味で、観光地では弊害もあるようだが、日本の経済にとってはプラスになっており、良い傾向だと思っている。
先般、東京国際フォーラムで「高橋真梨子 エピローグ」というコンサートがあり、家内と東京に出かけた。さすがにコンサートは高齢シニアの日本人ばかりだったが、前後に行った、アーティゾン(旧ブリジストン)美術館では、日本人作家の美術展なのに外国人を見かけ、八重洲の観光バスターミナルでは、ほとんどが外国人、とにかく八重洲、丸の内は外国人が多かった。
翌日は、赤穂浪士のお墓のある、東京高輪の「泉岳寺」行った。今回で2度目だが、東京の観光地ではマイナーなところだ。墓地には、主君の浅野内匠頭、大石内蔵助、大石力、堀部安兵衛等四十七士のお墓が並ぶ。お墓の墓標には、それぞれの日本語の名前と、亡くなった年齢が記載されているが、海外の人を意識した物は一切ない。
その様なお墓が並ぶだけの所で、訪れる人も少ない。行った時は土曜日の10時前だった。お墓の所で線香の束を購入して、それぞれの墓標の前で一人一人に、お線香を手向けてお参りをするのだが、お墓の所には日本人が2組4人ほど、東洋系ではない外国人が3組の6人、その後、3人ほどの外国人が来ていた。
驚くほどではないとは思うが、彼らは何を情報に、この様なマイナーなところに来ているのだろうか?線香を販売していた人にお聞きしたが、映画「将軍」の影響かと言っていた。
その後、白金台の「荏原 畠山美術館」を訪れたが、こちらは荏原製作所創業者の畠山一清氏が収集した茶道具、松平不昧公の所持していた茶道具が展示されていた。そちらも訪日外国人には全く不親切な展示になっていたが、アジア系ではない外国人がちらほら来ていた。
訪日外国人は何を頼りに、日本に訪れるのだろうか?日本の文化や歴史にも興味を示す海外の人が増えているのだろうか。赤穂浪士のことなどもどの様に海外では伝えられているのだろうか?その様な人たちを意識しての受け入れも整えていく必要があると思った。