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ニュース株式会社マックス
BLOG2018.12.25
株式会社マックス

 当社の子会社株式会社マックスは、昭和44年(1969年)に福井県大野市に企業誘致として設立され、来年の3月1日で50周年を迎える、現在もブラジャーやインナーなど下着の縫製を行っており、ピーク時は140名を超える社員を擁した。その後、海外での生産が主力となり、現在の社員数は65名程となっている。日本人の社員だが、31歳の年に社長を引き継いでから、毎年平均年齢は、私の年齢と合せるように上がっていき、60歳を超える社員が3分の1を超えるようになり超高齢となってしまった。

 また、4年前よりカンボジアからの実習生を受け入れるようになり、4年目の実習生や途中廃業した会社からの中途受け入れを含めて、現在22名カンボジアからの実習生が働いている。

 この会社の特色だが、女性の主婦ばかり、大野という地域性があるのか勤勉でお互いが助け合う気持ちが強く、社内の雰囲気は悪くない。

 この会社の、福利厚生として、毎年10月の体育の日の前後に慰安旅行を欠かさず行くのと、12月の第二土曜に忘年会を実施している。

 日頃コミュニケーションが不足気味の私としては、出来るだけそれらの行事には参加するようにしており、お蔭でTDLやUSJにも複数回行く経験をさせて貰った。昨年は改装した姫路城と小豆島、今年は大阪で、3回目だが「なんば花月」を見て、その後、池田市の今年NHK「まんぷく」で話題のカップヌードルミュージアムでマイカップヌードル作りを体験した。

 なんば花月は好評で、4年前からの再度の訪問である。その時カンボジア一期生が参加したが、日本語は分からず内容を理解出来ないと思うのだが、「面白い」と言ってくれた。今回も飽きずにドタバタ劇を鑑賞してくれたようだ。出発早々からお酒がふるまわれ、会社の慰安旅行では今時珍しいがバスの中ではカラオケタイムとなっている。

 忘年会の方だが、今年は3名程の欠席で参加率はとても高い。お昼の12時から開始で、お開きは4時近く、とにかく長い。昔はテーブル毎に、お酒を注ぎに廻ると必ず返盃があり、廻りきったころにはふらふらになっていたが、車での参加と年齢もありお酒を飲む社員は少なくなって最近は酔うことは無くなった。しかし、盛り上がり方は変わらず、特に今年はカンボジアの実習生が、普段寮で日本の歌を練習しているのか、カラオケのリクエストが絶えることが無かった。メインイベントは組合のだしもので、今年は「DA PUMP U.S.A.」で大いに盛り上がった。また、外国人素人のど自慢で、SMAPの中居正広が司会のテレビ番組に、予選を勝ち抜いて本選に出場した経験あるフィリピン出身の今年入社した社員が、MISIAの「Everything」を熱唱し、素人とは思えない歌唱力に驚かされた。

2018年末餅作り体験会1
2018年末餅作り体験会 2

普段は社長が不在のためなのか、〝ゆるい″面があるが、社内の雰囲気はとても良いと感じている。福井経編やイーゲートには置いていないが、近所の篠座神社を祀る神棚があり、粗末にするわけにもいかず毎月サカキを変えに行っている。それに合わせて、月一回、月末か月の初めに朝礼を行うようにしている。

 その様な会社だが、2002年に中国に会社を設立、2011年にはカンボジアにも会社を作り、年々その存在意義が薄れるようになった。当初は海外生産のリカバリーと中国からの研修生の受け入れの受け皿として機能した。それによって現在の中国の会社では日本での研修生が主力に育っている。その後カンボジアの実習生に切り替えたのも将来、帰国後のことを念頭に入れてのことである。しかし、現在受け入れているメンバーから将来の幹部が育つかは未知数で、現状は育てるより今のマックスでは自社の生産のことが精一杯で、今いるカンボジア人も国に戻って下着の縫製の仕事で頑張ろうという気持ちは、中国人の様には感じない。

 国内の下着市場だが、この20年間ほとんど価格は変わっていない。むしろ下がり気味で、業界そのものが先細っているのが現状だ。その為、ここ数年の最低賃金の上昇は、国内の会社の経営に大きな影響を与えている。日本製ということが希少価値で、日本市場より海外での越境ECに将来の活路をと考えている。支える体力があれば良いが、今の当社を取り巻く業界の状況は大変厳しい。

 将来のことを考えて業種の転換や社屋の介護施設への貸し出しも考えたこともあった。しかし、まだまだやるべきことは残っており、「今さらこの歳で」という社員も多いが、その尻を叩いて、国内という希少価値を生かし、さらに技術力と生産性を向上させ、何とかこれまでの伝統を守りたいと考えている。