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BLOG2018.12.25
米中関係

 昨年は、北朝鮮のミサイルや核実験が問題となり今後の先行きをとても心配した。しかし、今年2月の平昌(ピョンチャン)オリンピックを契機に雪解けムードが広がり、6月にはシンガポールで米朝首脳会談が実現し、一触即発の危機は去ったように思える。今後について容易に北朝鮮が核という切り札を手放すことは無く今の状態が続くと思うが、両国が冷静に対処すれば昨年のような危機的状況に陥ることは無いと考えている。

 それに代わって出てきたのが、米中の間での貿易不均衡問題で、最近は最先端技術の分野のせめぎ合いが問題の核心になっている。確かに最近の中国の最先端の技術開発の発展は目覚ましい。ネットでの販売が急速に発展しており、キャッシュレスも進み、車の配車サービスや無人店舗等、日本を凌ぐスピードで変貌を遂げている。また、軍事面のプレゼンスも際立ってきており、14億人の人口を抱える大国が強大になっていく姿は、これまで先進国だった国々にとっては脅威に映ると思う。

 中国の国家主席の習近平氏の「中国の夢」の中の発言を見ていると、アヘン戦争以来中華民族が虐げられてきたという歴史観のもと、偉大なる復権を果たしたいという気持ちを強く感じる。強大になった中国が世界に対しどの様に接するのか、未知数でもあり、これはある面ではこれまでの世界秩序を覆すもので、これまでリードしてきた米国からは受け入れがたいものがあるのかも知れない。

 一方、米国の方のトランプ政権のやり方だが、対中国政策については、野党の民主党からも支持を得ているように報じられている。中国の台頭に対するアメリカ人の見方は、脅威論が先行しているのだと思う。

 ところで、中国に来てみるとこの様な米国の態度に関し、猛烈な反発は感じられない。もし日本だったら違う反応があると思う。ファーウェイのスマホより、アップルの方がステータスに感じる中国人も多い。バスケットの国内リーグではアメリカ出身の選手が活躍している。アヘン戦争や日本の満州占領、国民党との戦争などの歴史に比べ、第二次世界大戦まで米国はどちらかというと中国の味方だったこともあり、対米感情はこれまで憧れのところがあり、いっきに悪くなってはいないようだ。

 中国に来ているととにかく競争の激しさを感じる。レストランでも次から次へと新しいサービスを考えるところが出てきている。特に珍しくもないかも知れないが、工場のある地元のレストランでは、食事のテーブルに鳥かごが置かれており、癒されると共に発想に驚かされた。上海蟹もドライアイスの煙の皿で出され、小ぶりなのでそれほど高額ではないと思うが、ただ茹でただけでなく紹興酒でほのかな味付けしており、味付けの評判はとても良かった。

 今の中国人を見ていると、稼ぐことにはとにかく世界一ガッツがあると感心している。とにかく働くし、工夫や最先端の技術の取り入れにも熱心だ。米中での企業の取り組みの差があり、ある面で貿易不均衡は関税では解消しないと思う。トランプ大統領は米国車が日本市場で売れないと言っているが、ドイツ車は売れている。言う前にもっと努力しろというのが、日本人の気持ちだ。

 しかし、今中国では、日本と同じように高齢化が進んでいて、今後この問題はこの国の大きな社会問題になるだろう。会社の社会保険の負担も来年度引き上げられることが確定している。累進課税の所得水準は引き上げられたが所得の捕捉率を上げようとしている。大物女優が脱税で逮捕されたニュースが報道されたが、税金の面でも息苦しさが出てくると感じる。今の政権は国民に表現の規制を行っている替わり、稼ぎにはあまりうるさく手を付けないという、暗黙の了解が中国社会にあるという話を聞いたことがある。真実はともかくとして、今後の社会負担と税金は大きな課題となっていくだろう。

 今回の米中の軋轢で来年は中国の企業にとって少なからず影響を与えることは確実だ。日本は中国からの旺盛な需要に助けられている面があり、来年の景気をとても心配している。中国は米国との交渉は大人の態度で進めると思うので、過激な結果にはならないと思うが、日本人の私としては、アメリカ国民にもっと努力して売れるものを作れと言いたい。