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ニュースミシュランガイド福井①(Tセレクト)
BLOG2021.8.17
ミシュランガイド福井①(Tセレクト)


ミシュランガイド北陸2021特別版が刊行された。福井県では3つ星はゼロ、2つ星は2軒、1つ星は6軒、ビブグルマン13軒、ミシュランプレートは65軒が発表された。飲食を営んでいる方から見れば「どうしてここが?」と思う方がいらっしゃるかもしれません。私自身はたまたま運不運のところがあるのではと感じている。奥越の勝山市、大野市のお店は対象から抜け、郊外や坂井市等でも、今回は取材しきれなかった所も多かったのではと推測している。


今回、Tセレクトとして商品紹介をしているが、読んで頂いている方に福井の宣伝として、私なりにセレクトしたレストラン、日本料理、そば等、3回に分けて紹介し、地元福井のお役立てになれればと思う。


最初の紹介は洋食のレストランだ。福井にはイタリアンを中心に洋食の美味しいレストランが多く、優秀な調理学校があるせいか水準も全国レベルで引けを取らない。その中で今回のミシュランでもビブグルマンに選ばれた、リストランテ「クッチーナ」を紹介したい。このお店とは、かれこれ25年近くのお付き合いになる。知り合いの方との梯子酒で訪れたのが最初で、その時は生ハムとルッコラのサラダをオーダーしたのを覚えている。ルッコラという葉物野菜だがその時が初めてで、ゴマを食べているような味がして不思議だった。決して手の込んだ料理では無かったが、お店の内装がイタリアの素朴な陶器の皿に囲まれ、イタリアのレストランの様で、しかもカジュアルな雰囲気だったのが気に入りなじみの店になっていった。会社の接待で使うというより家族で行くレストランで、盆や暮れに家族が揃うときは利用している。

 

クッチーナ三十周年メニュー

最高級生ハム”ジベッロ村のクラテッロ”とニョッコ・フリッコ

ワトム農園”まほうのトマト”のゼリー寄せ

越前産イイダコとポテトの温かいサラダ仕立てボッタルガ風味

パンとワイン

丹生特産’ニュースウィート’コーンの冷製パスタ

クスクスのペスカトーレ、トラーパニ風

福井サーモンとつぶ貝のソテー、香草バターソース

牛フィレのソテー、ズッキーニとリコッタチーズのソース サマートリュフ添え

デザート

カプチーノ

シェフ

 

 

いつもは金額を指定して、前菜、パスタ、魚料理、肉料理、締めはデザートとカプチーノ(エスプレッソではない)をコースに付けて貰っている。金額はビブグルマンに選ばれたということで想像してほしい。レストランのオーナーシェフと奥さんが毎年イタリアに旅行するのを楽しみにして、その度に新しいメニューが加わる。イタリア旅行をする際は、ガイドに乗らない美味しい店を教えて貰いたいと思っている。以前は味よりコスパや雰囲気と思っていたが、最近は断然美味しくなったと感じている。料理はお任せにする場合が多いが、いろんなイタリアの田舎料理にもチャレンジするのか、野菜を煮込んだスープや、変わった形のオリジナルパスタ、子羊や子牛の赤ワインで煮込んだ料理などがお勧めだ。東京に住む娘たちと上京の折食事に行く場合は、ほとんどがイタリアンだが、この店の味は東京のレストランとけっして引けを取らない。

次に紹介したいのは「タンシチュー」が飛び切り美味しいフランス料理の「トミー」という店だ。この店とのお付き合いもかれこれ25年近くになる。既に故人になってしまったが、こちらを紹介して頂いた方の行きつけの店だった。この店のオーナーシェフは元々遠洋航路の船の料理長をしていたとの紹介を受けている。その後、福井駅の近くから郊外に引っ越し、今は中心部から離れた場所に立地している。かつて、狂牛病の時にはタンが手に入らなくて、また、現在はコロナで大変苦労されている。しかし、オーナーシェフも相当のご高齢だが、ご夫婦で頑張っておられる。「タンシチュー」については、10年ほど前にテレビ番組で東京浅草のお店の紹介があり、上京した折り家族で食べたことがある。長い行列で待たされ期待しすぎたためか、その店の味には納得ができなかった。福井に戻って早速食べ比べさせて貰ったが、結果はこの福井の店の方が断然美味しかった。この店のタンは相当の時間煮込んであり、肉の部位の中で一番動かす筋肉なのか筋が細かく柔らかい。秘伝のデミグラスソースのタレに付け込んだ味と、口の中でとろける食感はたまらない。今回のミシュランで採用されなかったのは不思議だと感じている。付け加えになるが、ランチに付く、ポタージュスープがこれも絶品だ。リーズナブルなお昼のランチも、スープが付いておりお勧めなので是非試してほしい。








最後に紹介するのは、イタリアンの女性オーナーシェフで、大学生のバイトを一人雇ってやっている小さいお店だ。カウンターが7席、奥の小あがりに4人掛けが2テーブル、2人掛けが1テーブルで、満席で17人と狭く、予約なしでは無理だ。名前は「燻鮎」(クンテン)という。もともと寿司屋をやっていたお店を引き継いで、そのまま改装せず使っている。その為かイタリアンというより和食のお店と勘違いする。本職はイタリアンなのに刺身もメニューにあり、和食も楽しめる。お店のシェフの腕前も確かめるのに、オムレツをオーダーすることがあるが、出来は素晴らしい。蟹の季節には「デミグラスソース付きのセイコ蟹入りオムレツ」をオーダーするが、とにかくデミグラスソースが絡んだフアフアの食感で美味しい。夫婦で行く時の一番のメニューは「生ウニたっぷりのカルボナーラ」で、濃厚な風味はもうたまらない。また、この店の特徴として刺身にしてもとにかく新鮮でネタが素晴らしい。ホワイトアスパラも考えられないくらい太くて柔らかく、鞘入りそら豆もでっかくて柔らかい。お店のシェフに、これだけ満席が続き、価格もそれなりの客単価になっていて儲かっているのではと聞いたことがある。普通飲食業の原価率は50%を下回らないと利益が出ないが、この店は原価率が60%を超えているとのことで、儲けより美味しい食材を調達するのに情熱を傾けているとしか思えない。とにかく一度、イタリアンだがお刺身の盛り合わせを注文すれば、必ず納得すると思う。但し、この店の最大の欠点として、とにかくオーダーしても出てくるのが遅い。その為、会社関係で使ったことは無く、今回のミシュランでもサービスの面で基準には外れると思うが、美味しさだけなら星3つを付けられると思う。


以上、独断と偏見で好みのレストランを紹介した。是非、これを読んで頂いて興味を持ち行きたいと思う方は、ご連絡願えれば喜んでご紹介する。