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ニュースファッション界の偉人、森英恵さん
BLOG2026.5.15
ファッション界の偉人、森英恵さん

5月のゴールデンウィークに家族で東京に行く機会があり、それに合わせ、六本木の国立新美術館で開催されている森英恵さん(以下、呼称を‘女史’とする)の生誕100年記念しての大回顧展を見学した。その感想をお伝えしたい。

森女史の名声は、私自身が社会人になった時には、既に世界的なデザイナーとしてニューヨークやパリで活動中だった。今回の回顧展で彼女の生い立ちを知ることになったが、日本人離れした長身で、サングラスを掛けた顔写真から、都会で育った英才教育の方とばかり思っていた。

ところが、ご出身は自然豊かな島根県鹿足郡で、開業医の家庭に育ち、親の反対を押し切って東京女子大学に進学、結婚後、ドレスメーカー女学院でデザインを学び新宿にお店を開いたのが活躍のきっかけとなっていた。その後、日活の若き日の浅丘ルリ子さんが身に着けた映画衣装を手掛けたことが飛躍のきっかけとなっている。展示会にはそれらの映画での衣装も展示されている。その後、華やかなプリント柄のスカーフや蝶のモチーフを取り入れ「東洋と西洋の融合」をテーマにしたデザインで、1965年にニューヨークでショーを成功させ、1977年にはアジア人として初めてパリ・オートクチュール組合の会員となっている。

東京六本木の国立新美術館(会期4月15日~7月6日)での大回顧展だが、女史が手掛けた、膨大な作品が保存状態も良く展示されている。合わせてその当時のファッション雑誌流行通信も展示されていたが、繊維、ファッションが女性の憧れの存在だった時代を感じさせると共に、女史の膨大な作品を保管管理していた関係各位のご努力に頭が下がる思いをした。
 近年の繊維、衣料品を取り巻く環境だがカジュアル化が進み、繊維製品が大量に市場に出回り、儲からない時代になっている。フォーマルな衣装を身に着ける機会も減っており、一部の百貨店を除きアパレル受難の傾向が、今年はさらに進んでいる。
 会社が所属する下着、ボディファッション業界では、京都のワコールの創業者の塚本幸一氏が戦後の昭和を代表する偉人だと思っているが、展示会での女史の足跡を触れ、改めて昭和のファッション界を代表するもう一人の偉人だと思った。

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